サ ス テ ナ ビ リ テ ィ レ ポ ー ト

サステナビリティへの
継続的なコミットメント

第 14 号
活動期間

2022年4月1日~
2023年3月31日

サステナビリティは世界規模で人々が取り組まなくてはならない課題で
す。

会長メッセージ

ご関係の皆様へ

当社が初のサステナビリティレポートを発行いたしまし
たのは、今から14年前の2009年のことです。認定オフ
セットプロジェクトを通じ、CO2排出量全量に相当する
カーボンクレジットを取得し、カーボンニュートラル認証
を受けたのがその年です。

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アンドレア・ボラーニョ
ALCANTARA S.p.A.
会長 兼 CEO

革新素材
Alcantara®

独自の技術から生まれた
Alcantara®は
Alcantara S.p.A.の登録商標です。

Alcantara®の
製造・販売を行う
世界で唯一のイタリア企業

革新素材
Alcantara®

独自の技術から生まれた
Alcantara®は
Alcantara S.p.A.の登録商標です。

Alcantara®の
製造・販売を行う
世界で唯一のイタリア企業

ミラノ

本社

  • 従業員数95名
ネーラ・ モントーロ (テルニ県)

生産拠点および
研究開発センター

  • 従業員数554名
ミラノ

本社

  • 従業員数95名
ネーラ・ モントーロ (テルニ県)

生産拠点および
研究開発センター

  • 従業員数554名

応 用 分 野

自動車
インテリア
コントラクト
海洋・航空
ファッション&
アクセサリー
家電製品
カーボン
ニュートラル
2009年より
14期に渡る
認定サステナビリティ
レポートの作成

持 続 可 能 性 への 独 自のアプローチ

当社では当初より事実と科学的エビデンスを重視し、独立第三者機関によるサステナビリティレポートおよびカーボンニュートラル・ステータス認証を毎年受けています。

1 4 年 連 続カーボンニュートラル 達 成

2009年に TÜV SÜD カーボンニュートラル認定を受け
た当社は、分野のパイオニアとしてサステナビリティを
牽引してまいりました*。

*カーボンニュートラル認定とは、認証オフセットプロジェクトにおいて得られる温室効果ガス排出のオフセット量に基づき、カーボンクレジットの授与が行われる認定制度です。

6 年 連 続 国 連グローバ ルコンパクト支 援 決 定

当社では国連GC10原則に関連する活動、実践内容を毎年開示し、国連の定める持続可能な開発目標(SDGs)17項目のうち16項目に貢献しながら、長年サステナビリティに取り組んでいます。

2 0 2 2 年 – 2 0 2 5 年 サステナビリティ計 画 の 概 要

当社ではサステナビリティ目標とその達成方法を、4つの柱から成る23項目で定めています。

地球
環境持続可能性
気候変動
カーボン
ニュートラル
循環型経済
エネルギー
効率
ウォーター
フットプリント
再生可能燃料
環境への影響
社会的持続可能性
労働
安全衛生
企業市民活動
芸術と文化の振興
トレーニング
ALCANTARA®
ブランドとしての
持続可能性コミットメント
社会的インパクトのある
国際プロジェクト
若者の雇用拡大
繁栄
経済的持続可能性
サプライチェーンへの関与
持続可能なイノベーション
持続可能性の
ための投資
税の透明性
マネジメント
持続可能性ガバナンス
持続可能性
計画の作成
非財務報告
ステークホルダー・
エンゲージメントと
レピュテーション
持続可能性
ガイダンス
委員会
透明性と
リスク評価

今 後 の 展 望

持続可能性指標(ESG)およびKPIモニタリングの最
適化とプレゼンス向上

非財務情報報告における新GRI基準の採用

グローバル・コンパクト報告書の継続

持続可能性に関するコミュニケーション・キャンペー
ンの推進

社外ステークホルダーを巻き込んだ持続
可能性文化の構築、意識向上

中長期事業におけるESG影響リスク評価、諸分析
を活かした企業リスク経営

持続可能性指標(ESG)およびKPIモニタリングの最
適化とプレゼンス向上

非財務情報報告における新GRI基準の採用

グローバル・コンパクト報告書の継続

持続可能性に関するコミュニケーション・キャンペー
ンの推進

社外ステークホルダーを巻き込んだ持続
可能性文化の構築、意識向上

中長期事業におけるESG影響リスク評価、諸分析
を活かした企業リスク経営

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ダウンロード
€5900万
当社の提供している付加価値
49%
国内サプライヤー比率
€2300万
投資額

厳しい 国 際 情 勢 への 対 応

地政学的緊張状態に伴うインフレにより、グループ事業運営に不可欠な燃料や原材料費が大幅に高騰しました。

付加価値創出や投資能力の全体的な低下に直面しながらも、当社は経済的にも持続可能な経営を実現し、お客様やサプライヤー各社への安定性を確保してまいりました。

サプライチェーンの 戦 略 的 重 要 性

当社では、持続可能性、品質、安全方針に則した独自の方法や手順で、サプライヤーの選定と管理を行っております。

CSRサプライヤー評価

過去3年間で56件の監査を実施
(うち第三者監査34%)

認定サプライヤー:53社
スーパーコア・サプライヤー:32社
コア・サプライヤー:21社

2023年度新規サプライヤー査定:6社
(原材料╱包装分野)

優先サプライヤー合計:127社
スーパーコア・サプライヤー:42社
コア・サプライヤー:85社

売 上 高 内 訳

地域別
12% その他
18% 中国
11% 米国
59% EU

投 資 額 内 訳

環境:€360万
健康・安全:€240万

健康・安全・環境
関連投資総額:
€600万
40% 衛生・安全
6% 土壌汚染
37% 水質汚染
17% 大気汚染

2023年度には、環境基準を取り込んだ調達方針の導入と従業員福利厚生プログラム開発に伴い、インテーザ・サンパオロ銀行グループから€4,000万の持続可能性融資を受けました。

今 後 の 展 望

サプライチェーンにおける優れた持続可能性とエンゲージメントの促進

製品および生産工程に関する持続可能イノベーションの継続

環境負荷低減を目標としたコージェネレーションプラントの拡張

持続可能性目標との整合性を保ちながらの生産能力増強投資の継続

当社税務アプローチに関する透明性のある情報開示、サステナビリティレポートへの掲載

サプライチェーンにおける優れた持続可能性とエンゲージメントの促進

製品および生産工程に関する持続可能イノベーションの継続

環境負荷低減を目標としたコージェネレーションプラントの拡張

持続可能性目標との整合性を保ちながらの生産能力増強投資の継続

当社税務アプローチに関する透明性のある情報開示、サステナビリティレポートへの掲載

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ダウンロード
649名
2023年度の
平均従業員数
+67%
従業員数
(2013年度比)
94.6%
正社員比率
(2022年度比1.8%増)

人 材こそ成 功 の 鍵

当社ではこの考えを軸にあらゆるレベルで説明責任を果たし、相互の尊重を基軸としたうえで、経営陣と従業員との間に良好な関係を育み、部門を超えたチームワークを推進する人事管理方針を定めています。

人材成長とモチベーションの5大要素

  • 企業の個人およびチーム目標の伝達と共有
  • 全レベルにおけるプロフェッショナル成長を目的とした研修計画の策定
  • 業績チェックおよびフィードバック
  • 社内における公平性、市場競争力、業績評価を確実にした報酬実施
  • チームワークおよびビジネスプロセスの理解

ゼロ差別・人権侵害

人にコミットし、人権や持続可能性課題に取り組むことで、事業活動全体における差別・人権侵害の撤廃を実現しています。

安 全 衛 生

長年にわたり、職場環境の安全向上の予防、監視、研修を実施し、労働者の福利厚生保護に取り組んできた当社の安全衛生管理システムは、ISO45001の認証を取得しています。

現行基準レベル以上に安全管理を向上させ、「事故ゼロ」目標達成に向けた対応を定める、ゼロ・アクシデント・プロジェクトを設立しています。

福利厚生

従業員への福利を促し、
向上を目的に全従業員に労働協約規定以上の
追加手当を支給しています。

2023年度収益に対する
従業員福利厚生充当率: 1.08%

研修の重要性

従業員の成長と目標達成のために、
人材育成に取り組んでいます。

2023年度の研修実施時間
(うち新入社員向け79%): 28,438時間

今 後 の 展 望

ESGに関する従業員研修

持続可能性への企業コミットメントに関する新入社員教育

新雇用創出

従業員からの革新的持続可能性アイデアの収集

ESGに関する従業員研修

持続可能性への企業コミットメントに関する新入社員教育

新雇用創出

従業員からの革新的持続可能性アイデアの収集

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ダウンロード
13
イベント&
共同ブランド
イニシアティブ
実施数
36
2023年度授与
奨学金件数
€114,000
地域社会への寄付額

イベント・共 同ブランド 活 動

当社は、グローバル・ライフスタイル・ブランドとして毎年すべての主要市場にて、当社のメッセージと価値観の普及を強化するイベントを開催しています。

さらに創業以来、さまざまな分野で世界をリードするラグジュアリーブランドとの共同活動にも積極的に取り組んでまいりました。

アーティストやデザイナーの創造力を刺激する当社製素材は、一流の美術館や国際機関に展示される作品にも多くお使いいただいています。

地 域コミュニティの 支 援

地域の福祉向上に貢献するさまざまな慈善団体に、文化的イニシアティブの支援や資金の提供など、地域社会全体の共有価値の創造に取り組んでいます。

奨学金

過去9年間で、テルニ県ナルニで学ぶ優秀な学生上位122名(2023年度は15名)と、従業員児童207名(2023年度は21名)向けに奨学金の授与を行いました。

バリアフリー賞

2023年度、障害を持つお子様がいる8家庭に向けて、総額約€23,000の支給を行いました。(2015年以降、57の家庭に支給)

教育機関研修

I.T.S. ウンブリアでは5回のカリキュラム・インターンシップ、テルニ工科大学では4つの就学・就労プログラムを実施。2022年~2023年に終了した1件を含め合計9回の研修を実施しております。

シェアリングイベント

コロナ禍から「新しい日常」を取り戻した当社は、会長を交えてのクリスマスイベントを実施。2023年度に勤続25年を迎えた従業員43名にロイヤルティ・ボーナス(ガソリンチケット€1,050相当)を贈呈いたしました。

企業託児所

2012年以降、従業員児童35名(2023年度は3名)が利用。€30,000近くを充当しております。

都市再生プロジェクト

コンフィンドゥストリア・ウンブリア主催、カッサ・ディ・リスパルミオ・ディ・テルニ・エ・ナルニ財団の資金援助により、持続可能な開発、都市製造、地域内の社会再生促進を目的としたプロジェクトに取り組んでおります。

今 後 の 展 望

サステイナビリティ重視ブランドとしての ALCANTARA®についてのグローバル規模における認知向上活動の継続実施

文化、芸術、美に関するイベントの開催

国内外の持続可能性イニシアティブへの参加

サステイナビリティ重視ブランドとしての ALCANTARA®についてのグローバル規模における認知向上活動の継続実施

文化、芸術、美に関するイベントの開催

国内外の持続可能性イニシアティブへの参加

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ダウンロード
52,083 t
2023年度のCO2オフセット量
6,657 TOE*
コージェネレーションプラント、
トリジェネレーションプラントによる
2022年の回避量
*石油換算トン
45%
廃棄物の
回復充当比率

気 候 変 動 に 対する取り組 み

当社の生産活動は主に、大気排出、排水・廃棄物の形で環境に影響を及ぼしています。

環境への影響を緩和・軽減するため、当社では下記の努力を続けています。

  • 環境効率の向上
  • 環境問題に関する緊急の研修および説明会
  • 社外への意識啓発

カーボンニュートラル

当社は2009年以降カーボンニュートラル認証を継続取
得しています。これは、認証・検証オフセットプロジェクト
への参画を通し、当社の排出するCO2全量分をオフセッ
トできるだけのカーボンクレジットを取得することで実現
しているものです。

当社では、当社バリューチェーンを超えた気候変動対策の
加速化、世界のCO2排出量の削減を確実に実現するため
の有用なツールとして、カーボンクレジットを捉えています。

ALCANTARAが支援しているプロジェクトによって毎
年、影響が及んでいた地域に実質的な社会的利益をも
たらしています。

2023年度には、風力発電と水力発電に関する3つの取
り組みにより、CO2排出量換算で計52,083トン分*をオ
フセットするカーボンクレジットを取得いたしました。
* トン=メートル・トン

プロジェクトアサハン1水力発電華能遼寧阜新バートゥオク2水力発電
プロジェクト
タイプ
水力風力水力
スタンダードCDMCDMCDM
インドネシア中国ベトナム
クレジット数10,65711,72429,703

環 境 パフォーマンス

コージェネレーションプラントおよび
トリジェネレーションプラントによる節電

6,657 TOE*
* トン=メートル・トン

コージェネレーションプラントおよび
トリジェネレーションプラントにより回避した
CO2排出量

15,662 T*
* 2022年1~12月

工業用水回収量

264,176 m3

廃棄物の回復充当比率

45%

当 社 の 環 境
認 証

環境マネジメントシステム(EMS)認証
UNI EN ISO 14001準拠、
2000年以降取得しています。

カーボンニュートラル認証
2009年よりPAS 2060

ISO 50001エネルギー認証
を取得

2017年より

2023年度ミラノ本社の太陽光発電システムで生産した電力は105 MWh(自家消費98%、2%を送電網に供給)。自家発電の自家消費分の主な内容は、現在刷新中の当社社用車充電ステーションでの消費です。

今 後 の 展 望

カーボンニュートラルの継続

脱炭素化絶対目標および原単位目標の設定

年間ウォーターフットプリント分析の継続

水消費量削減に向けた生産工程改善点の割り出し

エネルギー効率およびカーボンフットプリントへの影響を観点とした投資評価手順の策定

ISO 50001認証更新

再生可能燃料の使用可能性を評価

カーボンニュートラルの継続

脱炭素化絶対目標および原単位目標の設定

年間ウォーターフットプリント分析の継続

水消費量削減に向けた生産工程改善点の割り出し

エネルギー効率およびカーボンフットプリントへの影響を観点とした投資評価手順の策定

ISO 50001認証更新

再生可能燃料の使用可能性を評価

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リサイクル
主張基準
特定製品カテゴリー認証
94%
部分的にバイオ由来
ポリエステルを使用した
ファッション製品
4%以上
対収益研究開発投資率

ALCANTARA®
特長

  • 高度なカスタマイズ
  • 汎用性
  • 軽さと強さ
  • 通気性
  • 外的刺激への耐性
  • 美しさと肌触り
  • ブランドポジション
  • イタリアの職人技
  • カーボンニュートラル

当 社 製 品 の 取 得
認 証


単一ブランド/シリーズいずれにも有効

エコテックス
スタンダード100

リサイクル
クレーム
スタンダード

IMO MED

欧州指令2002/75/EC
および96/98/EC準拠

CPD建設製品

欧州指令89/106/EC
準拠

自 動 車コンセプトブック

「自動車コンセプトブック」とは、当社が自動車業界向けにお届けしているスタイリングをご紹介したものです。

毎年発表しているこのコンセプトブックでは、製品の多様化、さまざまなポジショニング、最先端プロセスの採用やALCANTARA®とその他の革新的な素材、独自の素材との組み合わせによる既存技術活用の発展を目的とした複合ソリューションについてまとめています。

2022年版は、Cosmic、Biomorph、Virtualの3巻構成とし、色や技術のさまざまな組み合わせによる素材の無限のパーソナライズについてご紹介しました。

持 続 可 能な循 環 型
経 済 アプローチ

生産工程

当社研究開発部門ではCO2排出量削減のため、石油由来原料の一部代替に注力し、部分バイオ由来ポリマーや再生ポリエステルの使用量を増やした新製品を作り出しています。2023年度には、紡糸に使用するポリマーの割合を、部分バイオPETで17.5%、メカニカルリサイクルPETで3.6%とすることに成功し、さらなる向上を目指しています。

使用済み製品

プラスチック廃棄物問題の解決に世界規模で取り組む革新的スタートアップ企業であるGR3N社の協力により、ALCANTARA®のポリエステル成分を完全に回収する特殊技術の開発に成功しております。

今 後 の 展 望

消費後再生ポリエステルと、再生原料を含む繊維裏地の使用強化

水関連プロセスの開発と工業化継続による生産量増強

使用済み製品リサイクルの新技術の特定

イタリア国内外の大学との提携拡大による持続可能プロジェクト開発、次世代育成

消費後再生ポリエステルと、再生原料を含む繊維裏地の使用強化

水関連プロセスの開発と工業化継続による生産量増強

使用済み製品リサイクルの新技術の特定

イタリア国内外の大学との提携拡大による持続可能プロジェクト開発、次世代育成

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